近年わが国では「情報化」が宣伝される一方で、若年層から壮年層にも及ぶ言語の理解力と表現能力の低下が問題視されるようになってきました。マスメディアの発達や情報機器の普及によって、コミュニケーションが量的には飛躍的に増大する反面、質的には未曾有の弱体化を招いているのです。この言語現象の意味はきわめて重大です。
この言語能力低下現象については各種の分析がなされています。ある人は商業主義によるコピー文化のもたらした言語の衰弱だと説き、またある人は個性軽視につながる偏差値教育の所産だと説きます。いずれにせよ、これを現代社会に特有な病理現象とする指摘は多く、問題の根が深いことをうかがわせます。
こうしたなか、昨今では就職試験や入学試験の多くに、作文・小論文が採用される傾向が強くなっています。これは効率的なエキスパートを要する産業社会が、全人的な「総合力」を備えた人材を渇望することの反映と見られます。そこには個人の「総合力」はその「文章」に表れるという発想があると思われます。
しかし、前記のような言語問題の根の深さを思うとき、文章重視という出題傾向の変化だけでは、いわば泥縄式の感があることは否めず、問題の本質的な解決法として期待するには無理があります。そこで私どもは、この言語の弱体化現象にあえて当事者として関わることとし、これを機に真実の「ことばの復権」を果たすことを目的として、ここに「日本添削検定協会」を設立いたしました。
由来、文章力を高めるもっとも実際的な方法は、自己の文章について、第三者からの誠実で的確な批評を受けることにあるとされています。もとより名文に触れたり、感性を磨いたりする向上の姿勢も大切ですが、そうした素養はコミュニケーションの「実技」の錬成を通じて初めて活用できるものです。水泳上達のコツがまず水に入り、適切な指導を受けることにあるのと同じく、文章上達のコツも、第三者の心のこもった手厚いチェックを受けることにあるといえるでしょう。―その一方で、この優秀な第三者―いわゆる添削指導者の俊英が、現状では決定的に不足していることも事実です。
その意味で文章の良き読み手であり、また優秀な批評者としての添削指導者を、信頼するに足るシステムと基準のもとに審査・検定し、世の求めに応じて送り出すことは、時宜を得た事業と自負しております。ご理解ある皆様のご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。
日時 | 内容 | 場所 |
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